書斎に最初のワープロが導入されたのは「2」の時期だ。そのころは「1」から引き続いて、大学の入学祝いに叔父から贈られた、当時は最新式のスチール机を隅に据え、残りをその隙間に寸法を合わせた天板と簡単な棚から成る作業台で埋めた形にしていた。このスチール机は元は旧JIS仕様で高さ七四センチだったが、この家に移る前からねじ込み式の脚を外し、木製の低い台輪の上に乗せて六七センチにしてあった。事務机のJIS標準はその後七〇センチになったが、靴を履かない空間ではそれでも高すぎるように思う。
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作業面の高さは個人の癖や好み、作業の種類などによって異なるだろうが、2Bぐらいの鉛筆を使い強い筆圧で原稿を書く私には、この高さが使いやすかったし、また机が低めであると室内の視野の重心が下がるので全体が広々と感じるような気もする。机を低くすれば椅子の座高もそれに応じて低くする必要がある。JIS標準の七〇センチの机に対応する一般の事務椅子では、一番低い位置に調整しても高すぎることが多い。ちなみに私が使っているのはチャールズーイームズのデザインによるシェル成型のアームチェア(モダンファニチャー・セールス、カタログ記号H6)とで調節可能の座高の最低限が三九センチと比較的低くできるもので、これはすでに二回張り直しをしている。ワープロのキーを叩くにもやや低いほうが楽だ。しかしワープロを使い慣れるにつれ、机の奥行き(約七二センチ)に不便を感じるようになった。モニター付きのワープロの前にキーボードを置くと、キーを叩く腕の肘がはみ出して疲れるのだ。そこで「3」では、天板とそれを支える側板だけの簡単な机を奥行き八五センチで設計し、引き出し類は市販のスチールーキャビネット(キャスター付き)を使うことにした(なおこれまでの愛用のスチール机は次男に譲った)。