ヨーロッパの住宅制度の骨子

2011.11.04

近代社会において住宅政策が登場したのもこのような理由からであった。深刻な住宅問題に最初に直面したイギリスでは一八四八年に公衆衛生法を成立させ、住宅政策はその中で重要な位置を占めた。この法律はその後次々と改正され、今日のイギリスの高い住居水準を実現する制度へと発展していったのだが、その柱となったのは、次のような事柄である。(1)人間が住むにふさわしい住宅の最低基準の設定と、その国家の責任による実現。(2)自治体の中に住居監視員を設け水準以下の住宅の改善命令権とそのための費用援助(融資ではない。

[参考]
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住宅改善に必要な費用の五〜七割を助成する)。(3)自力で良質の住宅を取得しえない人たちへの公共住宅の供給。(4)土地を利潤追求の手段とすることを禁止し、計画的に土地を利用することを規定した土地政策の確立。(5)不良住宅の建築禁止とスラムクリアランス。ヨーロッパ諸国はこのような制度によって良質の住宅を実現してきたのであるが、それと比較しながら日本の住宅政策を眺めてみることにしよう。